Lesson 11-4 入浴と睡眠

シャワーだけじゃダメ?

一日の終わりのお風呂を楽しみにしている方も多いと思います。しかし暑い夏などは、シャワーだけで済ましてしまうこともあるかもしれません。これは、睡眠と入浴との関係から見ると、とてももったいないことです。浴槽に浸かってしっかり身体を暖めると、睡眠の質も向上します。その理由はリラックス効果だけではありません。

ぬるめのお湯に15分

概日リズムと同じように、人の体温も1日の内で1℃前後変動しています。

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このグラフのように、朝起きた後ゆっくりと上昇した体温は、夕方から夜にかけてをピークに、メラトニンの分泌が始まると下がり始めます。人は体温が下がると活動が低下し、睡眠に移行しやすくなるのです。

眠る1〜3時間前に入浴して体温を上げておくと、この仕組みによって体温が急激に下がるので、スムーズに眠りに就くことが出来ます。しかし、シャワーを浴びるだけだと、体温を充分に上げることが出来ませんぬるめのお湯にゆっくり15分程度入ると、身体の深部体温をしっかり上げることが出来ます。保温効果のある入浴剤もオススメです。

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冷え性の人は熱めのお湯で

冷え性の人は、深部体温が下がりにくいため、眠っても疲労感がとれません。下がりにくい深部体温は温まりにくいものでもあるので、ぬるめのお湯では身体の芯まで温めることが出来ません。

そこで、冷え性の人は熱め(42℃程度)のお湯に15分程度入るようにしましょう。ただし、睡眠の直前だと逆効果です。ベッドに入る2時間ぐらい前に入浴し、しっかり汗を流すようにしましょう。

手と足を温める

お風呂に入る気力も沸かないほど疲れた、生理でお風呂に入りたくない…。そんなときでも、そのまま寝てしまうのではなく、手や足だけでも温めてあげると、熟睡できて疲労の回復も早くなります。

42℃前後の熱めのお湯を洗面器に溜めて、手足を10分程度温めてあげます。手だけなら洗面所にお湯を張るだけで簡単に出来ます。疲れているときこそ、身体をいたわって、快適な睡眠をとれるように心がけてみましょう。

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Lesson 11-4 まとめ

  • 人の体温は1日の内で1℃前後変動している。
  • 眠る1〜3時間前に入浴して体温を上げておくと、体温が下がるタイミングでスムーズに眠りに就くことが出来る。
  • ぬるめのお湯に15分程度入浴する。
  • 冷え性の人は熱め(42℃程度)のお湯に15分程度入浴する。
  • お風呂に入る気力が無いときでも、手や足を温めてあげると熟睡できて疲労の回復が早くなる。