自分だけのリラックス空間
着るものや寝具を見直したら、次は寝室を見直してみましょう。部屋が、自分にとってリラックスできる、心地の良い空間になっていれば、自然と眠りの質も向上します。思い切って、部屋全体の模様替えをするのも楽しいものですが、ここでは、もう少し手軽に寝室の居心地を良くする方法も考えてみましょう。
まずは片付けから
部屋の中をちょっと片付けるだけでも、格段に気持ち良く眠れるようになります。まずはベッドの周りや、眠ったときにベッドから目に入る場所だけでも、綺麗に片付けてみましょう。少しぐらい散らかっていても、毎日目にしていると慣れてしまいがちです。それでもやはり、片付いた様子を見ると気持ちが良いものです。また、ちょっとした満足感や達成感が、心をほぐしてくれます。朝目覚めたときも、ベッドメイキングをしたり、布団や枕をきちんと畳むだけで、気持ちが爽やかになります。
また、散らかった部屋にはホコリや湿気が付きものですが、これらは快適な睡眠の大敵です。まずは部屋を片付けることが、快適なリラックス空間を作る第一歩です。
淡い色彩でやすらぐ
色彩は、人の心理に影響を与えます。派手な原色を見れば気持ちが昂り、自然のなかにある色を見ると気持ちが落ち着きます。好きな色は人それぞれあると思いますが、ヒトにやすらぎや安心感を与え、リラックスさせる効果があるのは、ベージュ、パステルカラー、淡いブルーやグリーンという研究結果があります。
壁紙や家具の色彩に統一感がなかったり、派手な色彩のものが多いと、自分では慣れてしまって意識していなくても、目から飛び込んだ色彩が脳を興奮させてしまっていることがあります。これでは快眠も望めません。天井や壁、カーテンには、ベージュやパステルカラーなどの淡い色彩を配して、家具やインテリアも木の色を活かした落ち着いたものを選ぶと、色彩に統一感と調和が生まれます。
ベッドはどこに置く?
眠っているあいだ、人はとても無防備な状態になります。そのため、部屋の入口から離れていて、顔を見ることが出来ない位置にベッドを置くと、心理的な安心感が得られます。その他にも、エアコンから出る風が直接当たらないことや、朝の光に当たりやすい場所を心がけてベッドを配置すると良いでしょう。
また、ベッドを壁にピッタリとくっつけている方は要注意です。人は毎晩、コップ1杯分の汗をかいています。ベッドと壁が密着していると、壁がカビだらけになってしまうことがあります。また、通気性が確保できないので、ダニが繁殖しやすくなるなど、衛生的にも好ましくありません。
部屋を真っ暗にして眠る
睡眠中の部屋の明るさについての、興味深い研究があります。蛍光灯の豆電球を点けて眠る人は、灯りをすべて消した状態で眠る人よりも中性脂肪が多く、また肥満にもなりやすいというのです。弱いものとはいえ、光を一晩じゅう浴びていることで、メラトニンの分泌が抑制されて、食欲を増進させるホルモンの分泌が増進されるためと考えられています。
とはいっても、いきなり真っ暗な部屋で眠るのは不安だという方も多いでしょう。そんな場合は、これまでと同じ程度の明るさを保って、光源の位置を目に入らない場所に移動させてみましょう。フットライトなどをベッドの死角に置くだけでも、違いがあります。
家電製品のスイッチやタイマーの光も、気になる人には気になるものです。光が直接目に入らないようにテープを貼るなど工夫してみるといいかもしれません。
カーテンの遮光性
人は目を閉じていても、瞼を通して網膜が光をキャッチしています。そのため、夜が明けるにしたがって、ゆっくりと部屋の中も明るくなるような環境だと、体内時計もリセットされ、すっきり目覚めることが出来ます。
また、一晩中、街灯などの光が入ってきてしまう場合は、遮光カーテンを取り入れて部屋の明るさを調節してみるのも良いでしょう。仕事の関係で昼間に睡眠をとる場合は、強い光も防ぐことが出来る遮光カーテンを取り入れ、体内時計の負担を減らしてあげましょう。
ラベンダーの香り
色彩と同じように、香りも人の心に影響を与えます。アロマディフューザーを使えば、火を使わないので、安心して香りを楽しみながら眠ることが出来ます。加湿効果もあるため、冬場は乾燥を防いでもくれます。
リフレッシュ効果のあるユーカリやミントなどの香りを染み込ませたアロマストーンを枕許に用意しておけば、眠りに就くときは安眠効果のあるラベンダーの香りをディフューザーで焚き、朝はアロマストーンを嗅いでスッキリと目覚める、ということも出来ます。
他にも、エッセンシャルオイルにはたくさんの種類があり、効能も様々です。その日の気分や体調に合わせて、香りをブレンドする楽しみも増えます。
Lesson 11-3 まとめ
- 部屋を片付けるだけでも睡眠の質は向上する。
- リラックス効果のある色…ベージュ、パステルカラー、淡いブルーやグリーン。
- 統一感のない色彩や派手な色は脳を興奮させてしまい快眠を遠ざけてしまう。
- 部屋の入口から顔を見ることが出来ない位置にベッドを置くと、心理的な安心感が得られる。
- 通気性を確保するため、ベッドと壁は離す。
- 蛍光灯の豆電球を点けて眠る人は、灯りをすべて消した状態で眠る人よりも中性脂肪が多く、肥満にもなりやすい。
- 夜が明けるにしたがってゆっくりと部屋の中も明るくなるような環境だと、すっきり目覚めることが出来る。
- アロマディフューザーやアロマストーンを使えば、安心して香りを楽しみながら眠ることが出来る。